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レーザ技術

レーザとは

LASER = Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation
『放射の誘導放出による光の増幅』

1957年、コロンビア大学で学生だったゴードン・グールド(Gordon Gould)氏が、自分のノートに光誘導放出を作り出す装置を考案し、この光をLASERと名付けた。

1960年、米国西海岸カルフォルニア州カリブにあるヒューズエアクラフト社(Hughes Aircraft)軍用エレクトロニクス研究所のセオドア・H・メイマン(Theodore H.Maiman)氏が、酸化アルミニウムを基本組成とするルビー(クロムイオンが混在)に、キセノンフラッシュランプをエネルギー源として、ピンク色のレーザが世の中で初めて出力された。

レーザの発振の原理

原子の周りを回っている電子は、外部からのエネルギーを得ると、外側の高いエネルギーの輪に移動します。これを励起状態と言います。 しかし、しばらくすると電子が、余ったエネルギーを放出して、元の内側の低いエネルギーの輪へ戻る。これを自然放出と言う。 この放出された光が、他の高いエネルギーの輪に衝突すると同様に同じ性質の光が放出される。これを誘導放出と言う。 誘導放出が繰り返し行われる事を光の増幅と言い、波長の揃った光が出来る。 外部からのエネルギーは、電気的なエネルギーや光的なエネルギーがある。

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光のエネルギー(半導体レーザ)

CO2レーザやエキシマレーザなどのガスを媒体としたレーザは、外部からのエネルギーを電気から得て励起されているが、YAGレーザを初めとした固体レーザは、光のエネルギーを得て励起されている。 以前は、キセノン(Xe)やクリプトン(Kr)などのランプの光エネルギーを得て励起されていたが、励起に必要な波長以外の光も発していたため、無駄な熱も与えられていた。
近年は、ランプのエネルギーに代わり、半導体レーザ(LD)からの光エネルギーを得て励起されるようになった。半導体レーザの光エネルギーは、励起に必要な波長だけになるため、無駄なエネルギーが加わらないため、エネルギー変換効率が良く、拡がりの少ないレーザが出来るようになった。
しかし、パルスY発振のYAGレーザは、瞬間的な大きな光エネルギーを必要とするため、現在でもランプからのエネルギーが使われている。

半導体レーザの仕組み

隣り合ったN型とP型半導体レーザに電圧をかけると、N型半導体に電子の量が多くなります。高い敷居を超え、P型半導体に移動する際に光を放出する。
このように半導体から放出された光を、励起用のエネルギーに使用します。
このような形の物を、半導体チップと呼ばれる。
また、直接使用する事で、電機→光変換効率の非常に高い半導体レーザとしても利用されている。

半導体レーザの種類

半導体レーザは、材質の違いで発振波長が異なる。また、形状により使用方法が違ってくる。
加工用に使用されている代表的な半導体レーザは、下記のような種類がある。

ファイバカップリング型

半導体チップを使用目的に合わせて、様々な形状で使用している。 加工用としては、伝送用のファイバーが一体になった物が、多く使われるようになった。 単体で数十から数百Wの高出力の物もあるが、ファイバーを束ねて、高出力にしている物もある。 ファイバーで伝送するため、円形のエネルギーが得られる。 加工用の半導体レーザとして使用したり、ファイバーレーザの励起用の半導体レーザとして使用されている。

冷却方式は、出力が小さいため、空冷方式やパッシブ冷却方式が使われている。

特徴としては、低出力のため、使用する時に発振させて使われるため、待機放電を必要としない。また、数十万時間と、期待寿命が長い。

スタック型

半導体チップは出力が小さいため、一次元アレイ化して出力を大きくする。

アレイ化された物をLDバーと呼ばれる。アレイ幅は通常は1cm程度である。 さらに、出力を得るために、LDバーを積み重ねて二次元アレイ化する。 LDバーを重ねた物をLDスタックと呼ばれ、25段積層された、ひとつのLDスタックで、3000W出力する物もある。

半導体チップをアレイ化するため、矩形のビーム形状が得られる。出力が大きいため、直接ハイパワーの加工に使用したり、固体レーザの励起光として使用されている。

直接マイクロチャンネルの水路で冷却するアクティブ冷却方式の物や、間接的にヒートシンクなどで冷却するパッシブ冷却方式の物がある。

レーザ加工

レーザ加工は、レーザ発振器・集光光学系・システムを選び、切断加工を初めとした除去加工、溶接加工の接合加工、焼き入れなどの表面改質加工の様々な加工が出来るツールとなる。

レーザ発振器

レーザ発振器は、多くのメーカより様々な装置が販売されている。加工する対象物の加工内容により、波長と時間長を選択する。種類分けは、大まかには下記のように選別できる。

集光光学系

加工の内容に合わせて、集光光学系を選び加工を行う。
また、発振器から集光光学系まで、レーザ光を導く光学系の選択も重要となる。
導く方法は、反射ミラーを使う方法と、伝送用のファイバーで導く方法がある。
伝送用のファイバーを使用する場合の、加工点のスポットサイズは、下記の計算で求められる。

システム

加工を行う品物の、形状や精度などの仕様に合わせて、システムを製作を製作する。

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